さとやま未来博活動関係
2017年、広島県主催で行われた「ひろしまさとやま未来博」において、しろくまリコーダー合奏団は「廃校リノベーション」内で校歌をリノベーションする企画を提案し、各施設の完成記念式典において校歌の記念演奏を行いました。懐かしの校歌が、生まれ変わった各施設のシンボルソングとなればよいなと考えています。
旧三原市立和木小学校
2017.11.12 三原市(大和町)
曲目:和木小学校校歌、気球に乗ってどこまでも ほか
初めて上下白黒の正装で臨んだ本番です、式典の緊張感の漂う中演奏をしました。さとやま未来博廃校リノベーション企画の第一校目ということもあってか、ご来賓の方々が多くいらっしゃったり、空中にはドローンが飛んでいたりして、賑わっていました。今回の演奏では、本コースの卒業生である高橋梢(たかはし・こずえ)さんをお招きし、歌とリコーダーのアンサンブルを多く行いました。式の後には和木区民まつりが行われ、こちらも賑わっていました。(浅野)
校歌をいっしょに歌ってくださった地域の方の中からは、「なつかしい」「やはりいい曲だ」などの声が聞かれ、中には思い出を語り涙された方もいらっしゃいました。ずっとその地域にいらっしゃる方にとって、校歌が大切な存在であることを心から実感しました。(下村)
旧西城町立小鳥原小学校
2017.11.23 庄原市(西城町)
曲目:小鳥原小学校校歌、もみじ、冬景色、それ行けカープ ほか
今回は廃校リノベーション企画にも参加し、地元の方々と共に作業を通して交流することもできました。小鳥原小学校にはとても風情のあるオルガンがあったため、特別ゲストとして本コースでエレクトーンを演奏できる仲間を呼び、一緒に演奏しました。当日は大雪でしたが、多くの方にお集まり頂き、校歌を聴いてもらえたことが何より良かったと思います。校歌を聞くと、私はなんとなく元気がでたり、昔を思い出して懐かしくなったりしますが、皆さんはどうでしょうか。(浅野)
旧小鳥原小学校のある西城町八鉾(やほこ)地域には、あと二校、油木(ゆき)小学校と三坂(みさか)小学校がありました。こちらもお披露目の可能性があり編曲を行いましたが、今回は小鳥原小学校の校歌のみ演奏することになりました。(下村)
旧沖美町立沖保育園
2017.11.25 江田島市(沖美町)
曲目:沖小学校校歌、ちょうちょ、それ行けカープ ほか
さとやま未来博・廃校リノベーション企画の最後を飾ったのは、江田島市の旧沖保育園です。旧沖保育園はもともと、「星の家(おうち)」という地域の憩いの場として使用されてきましたが、この度あらためて牡蠣殻のモビールやウッドデッキが完成し生まれ変わりました。
旧沖保育園には園歌がなかったため、すぐそばにあった旧沖小学校の校歌をリノベーションすることになりました。偶然にも沖小学校校歌は、上述の小鳥原小学校校歌と同じく、太田司朗(おおた・しろう)氏の作曲によるものでした。太田氏は広島県内各所の校歌を手がけられた方のようです。
演奏では、園設立当初に記念で作られた鐘や、当時使われていたオルガン・木琴を活用することにしました。式典後のミニコンサートでは、地域のみなさんと近い距離で触れ合うことができ、「それ行けカープ」では素敵な合唱とのコラボレーションが実現しました。(下村)
校歌の編曲を通して
編曲に際しては、事前に「さとやま未来博」内「みんなでDIY」プロジェクトに参加して各学校を視察し、プロジェクトにいらっしゃっていた地域のみなさまから校歌にまつわるお話をうかがう・実際に歌っていただくなどの取材を行いました。
地域のみなさまの思いに触れることができただけでなく、楽譜とは異なった「歌いぐせ」が多く判明したほか、「歌詞が3番まであるなんて知らなかった」「歌詞のはめ方に自信がない」など、詳細な記憶があいまいになっているとの声も聞かれました。さらに、「戦後間もない頃は、みんなが流行の軍歌に校歌の歌詞をのせて歌っていた」「お母さんは他地域からお嫁に来たため、この地の校歌を詳しく知らない」など、校歌を取り巻くさまざまな社会的な背景も浮かび上がりました。
プロジェクトを通して、普段はあまり注目されない「校歌」が、その地域の人々を世代を超えてつなぐ役割を果たすことを実感し、これからも様々な地域でこのような活動を続けてゆきたいと思いました。
今回訪れた各学校の編曲・演奏に際し、広島県庁中山間地域振興課のみなさまには、各施設への移動や資料の収集などで大きなご尽力をいただきました。この場をお借りして心から感謝申し上げます。多くのことを教えてくださり、演奏にもご参加いただいた地域のみなさまにも、心より御礼申し上げます。
▼「ひろしまさとやまチーム500」内HP